この2年間、人社系学際融合プログラムの一環として九州大学を基盤とするロシア研究が行われてきました。当プログラムの締めくくりとして、人社系協働研究・教育コモンズとともに、ロシア史を中心とした歴史教育を考える企画を立てました。
第一部は、ランチタイム・セッションとして、近現代を中心として、九州という地域とロシアとのつながりを再検討する研究成果を紹介する時間を設けました。明治期以降の九州において、ロシアの文学や宗教がどのように受容されたのか、具体的な事例について検討する予定です。
つづく第二部と第三部では、高等学校以上の歴史教育との関係を扱います。高校では2022年度の1年生より新課程に基づいた授業が行われるようになり、2025年度には、その生徒たちが入学してくることになります。中でも歴史教育は、日本史と世界史を融合した「歴史総合」という新科目が設立されたこともあり、現在その方向性をめぐって活発な議論がなされています。そこで歴史研究や教育の第一線で活躍されている先生方をお招きし、ともすれば「特殊な地域」と見なされがちなロシア史の教え方や、歴史総合の課題について、議論する予定です。
歴史教育や高大接続に関心をお持ちの方の、幅広いご参加をお待ちしております。
▶内容
「歴史総合」時代のロシア史
第1部(12:00-13:00) ランチタイムセッション:九州から再検討するロシア―「私たち」とロシアを結ぶ
報告者:高橋 沙奈美(九州大学 人間環境学研究院)
松枝 佳奈(九州大学 比較社会文化研究院)
第2部(13:30-15:30) ロシア史教育の日露比較
報告者:立石 洋子 (同志社大学)
田中 良英(宮城教育大学)
第3部(15:50-17:50) 隣国の歴史と私たち
報告者:北村 厚(神戸学院大学)
穗積 曉(大学入試センター)
▶ 定 員:約120名
▶ 参加費 無料