大西 俊郎ゼミナール

担当教員
大西 俊郎

経済学研究院 経済工学部門 数理情報講座

研究テーマ
  • ベイズ予測における双対性
  • モデル平均およびモデル選択
  • ベイズ型一般化線型モデル

*** 2023/10/24修正 ***
【授業の概要】
近年注目を集めているBayes統計学を学ぶ.
統計学は科学の文法と言われることがあり,自然科学・人文科学・社会科学の幅広い学問分野で実証分析・データに基づいた意思決定に用いられている.Bayes統計学の特長は,事前情報とデータを統合することによって合理的な推測を可能にする点にあり,未知パラメータの個数が多い場合にパフォーマンスがよいことが知られている.ビッグデータでは多数の未知パラメータを含む統計モデルが用いられるため,Bayes統計学は今後その重要性がますます高まると予想される.
2年次の「数理統計学Ⅰ・Ⅱ」で学んだ内容は,Bayes統計学と対比して頻度主義の統計学と呼ばれる.
この授業では,定評のある機械学習の教科書の輪読を通じてBayes統計学の考え方を修得することを目標とする.教科書を分担して輪読するセミナー形式で学ぶ.演習は3・4年別に行う(3年生は4時限,4年生は5時限).意欲的な3年生は4年生のクラスにも参加可能とする.

【授業計画】
1. 3・4年次の全60回(90分×15回×4個学期)の授業で「パターン認識と機械学習(上)」を読むことを目標とする
(1) Bayes統計学の視点から機械学習とパターン認識の様々な理論や手法を解説した教科書である.特に,上巻は(下巻を読むための準備として)基礎的内容に重点が置かれている.
第1章:序論,第2章:確率分布,第3章:線形回帰モデル,第4章:線形識別モデル,
第5章:ニューラルネットワーク
(2) Bayes統計学の考え方を学ぶ.
(3) 頻度主義の統計学を復習するとともに,「数理統計学Ⅰ・Ⅱ」では取り扱わなかった最尤推定や十分統計量などの概念を学ぶ.

2. 必要な数学知識を補強する
(1) 上記の教科書の付録,または,1年次に使用した微分積分学と線形代数学の教科書を利用して,変分法などの必要な数学知識を補強する.

3. プログラミング言語の修得
(1) Pythonまたは統計ソフトウェアRの初歩的な部分を学び,グラフィック機能を使うことにより教科書の内容を視覚的に理解する.PythonまたはRの利用を通してプログラミングを学ぶことができる.

【教科書】
『パターン認識と機械学習(上)』 C. M. ビショップ,丸善出版 (2006)
【参考書】
数理統計学Ⅰ・Ⅱ,微分積分学Ⅰ・Ⅱ,線形代数学Ⅰ・Ⅱの教科書

【その他】
1. 統計学の理論を体系的に修得すること,および,PythonやRによるプログラミングを学べることが本ゼミの特色である.
2. ゼミ論文の代わりに統計検定2級(または準1級)の合格を課す.2級は大学基礎科目レベル.
検定試験については https://www.toukei-kentei.jp/ を参照.
3. 要望に応じて自主的な勉強会を行うことも可能.経済学部のカリキュラムにない数学(複素関数,ルベーグ積分)の本の輪読,アクチュアリー試験対策を実施したことがある.

  • 『パターン認識と機械学習(上)』
    『パターン認識と機械学習(上)』
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