<授業科目と授業の概要>

 A.大学院「情報経済特研TU」

 企業の投資行動を、情報技術革新に対する取り組みや国境を越えた事業活動の面から分析していくための理論的、実証的考察を行う。企業と市場の概念を整理した上で、分析に必要となる設備投資理論、情報とネットワークの経済理論、国際化の理論等を理解しつつ、企業投資が経済成長や産業構造に及ぼす影響を、現代日米経済を中心に国際比較で考察する。

 

 B.大学院「上級情報経済」

 この科目では、ミクロ経済学の応用としての情報経済学のみならず、マクロ経済学や企業経済学を応用し、情報化する現代経済の実態を包括的に考察する。まず、情報経済の「マクロ分析」という概念が生まれてきた背景を概説した上で、情報通信技術の進歩と普及が経済に及ぼす影響をグローバルな観点で考察する。

 

 C. 学部「情報経済」

 この科目では、情報技術革新の経済的影響について、ミクロ経済学、マクロ経済学、企業経済学を応用し、その実態を総合的に理解していくための基礎的な枠組みを学ぶ。具体的には、情報経済(Information Economy )という概念が生まれてきた背景を「情報経済学」「情報化社会論」の形成過程と「生産性論争」の経過から解説し、その基本概念を用いて現実の動向を考察する。

 

 D.学部「経済・経営演習」

 「情報化」や「グローバル化」など、国際ビジネスをとりまく現在の潮流が企業行動にどのような影響を与えているか、現実の動きにも目配りしながら考察し、理解を深めていく。背景となる問題意識は、市場経済の中で「企業」が存在するのはなぜが、その役割や機能はいかなるものかという企業経済学に由来する。ゼミでは、いくつかの著書、論文、報告書等を、それぞれ担当を決めて発表し、参加者による討論を中心に進めていく。これを基本とした上で、書物による理解だけでなく、関連する最新のトピックスについても積極的に授業の題材に取り上げ、現実の動向について理解を深めていくことも重視したい。最終的(4年次)には、ゼミ・レポートの作成を目標とする。

 

 E.学部「経済・経営基本演習(エコノミック・リサーチ入門)」

 経済や経営の理論を学習するだけでなく、それらの「知識」を活かして、現実の経済や企業経営に関心を持ち、自らの力で複雑な実態を明快に理解していくにはどのようなスキルが求められるかを、実習を通して学んでいく。具体的には、基本的な統計処理、データ加工、文献情報の収集、サマリーの仕方の基本動作を学ぶ。

 

 F.学部「経済学入門」

 私たちは、衣食住のすべてを自分の力だけで満たすことはできない。しかし、市場を通じた交換によって、必要なものを国内ばかりか外国からも手に入れることができる。この一見当たり前に思える現象を効率的に行う市場メカニズムとは、どのような原理で動いているのか、また、それを経済社会全体としてどのように把握し理解すればよいかなど、ミクロ経済学、マクロ経済学、国際経済学の基本概念を学びながら経済学の大枠について理解を深める。

 

 G.学部(高年次基幹教育科目)「技術と産業・企業」

 スマホやネットの急速な普及からも実感できるように、技術進歩は私たちの日常生活や経済活動に大きな影響を与えている。こうした技術進歩は、例えば18世紀の産業革命など世界の経済史が示すとおり、いつの時代も経済システムを大きく変貌させる原動力となってきた。この授業では、技術変化が産業や企業に及ぼす影響の事例や現象を具体的にひも解きながら、経済システムの基本メカニズムを解説し、イノベーションの渦中にある現代社会を読み解く手がかりを学んでいく。