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9月3日(4日目)

■午前:自動車企業訪問■

 
瀋陽に来て初めての企業訪問は、瀋陽に本拠地を置く華晨汽車集団有限公司(?晨汽?、Brilliance Auto)へ。中国内でよく見かける、というエンブレムのついた自動車を生産している会社です。
ホテルを出て通訳の郭さんと一緒に貸切バスに乗り、瀋陽市郊外の工業地区の一角に到着。着いた先は想像していたよりもはるかに大規模な工場でした。ゲートから建物まで結構あるし・・・とにかく敷地が広大です。
バスを降り建物に入ると、なんだか見た感じ日本とあんまり変わらない気がするというか、近代的な設備で清潔な印象を受けます。
広々としたエントランスに展示されているエンジンや部品の説明を受けて会議室へ向かい、会社の概要説明ののちに工場見学と質疑応答の時間を設けていただきました。



華晨汽車はドイツのBMWと合弁してBMWの一部製品を生産しているそうで、海外技術を導入してエンジンを生産しているとのこと。エコに配慮したエンジンも生産しているらしく、生産技術は日本とほぼ変わらない水準だそうです。社員は瀋陽にあるトヨタの技術専門学校で学んだ人を採用し、入社後の人材育成にも力を入れているとのこと。
休日のため工場内の設備は稼動していませんでしたが、海外から輸入した部品や設備などを活用して99.9%くらいは不具合ないエンジンを作れるんだそう。
ちなみに、日本の自動車産業は昨年の金融危機の影響で大きなダメージを受けましたが、華晨汽車においてはその影響は無く、むしろ中国の自動車業界にとっては好機だったということでした。


お昼は朝鮮料理のお店へ行き、冷麺やビビンバなどを食べました。メニュー表の中には大連で見かけた幼虫の炒め物のようなものが・・・(食べなかったけど)
そして店を出て、店内の窓辺に集まった店員さんたちからガン見されながら午後の訪問企業へ出発。







■午後:工作機械企業訪問■

午後は瀋陽機床という工作機械の製造企業を訪問。中国でも有数の規模と技術を誇る企業だそうです。
午前の華晨汽車でも敷地の広大さに驚きましたが、瀋陽機床はさらにその上を行く感じの広さ。なんと!世界一の敷地面積の工場らしいです。道のところどころにお花が植えてあったりしていい感じ。
通された会議室は日本の新築オフィスと変わらない印象で、広々キレイでお洒落。なんだか訪問するまでのイメージとぜんぜん違うなぁ。。。と驚いてばっかりです。
そこで質疑応答ののちに工場見学へ。作っている工作機械は平均500万〜600万元程度の高額なものばかりで、1つの製品を作るのに5ヶ月くらいかかるんだそうです。造船・鉄道・航空業がユーザなだけあって、一つ一つの製品が大きい〜。
社員の皆さんはとても気さくな方々で、工場見学の後には一緒に記念撮影しました。

9月4日(5日目)

■午前:IT企業訪問■


午前、ホテルで日本語を勉強中の中国人学生の女の子・劉さんと合流して一緒にバスに乗り、中国最大のソフトウェア開発・ITサービス会社であるNeusoft(東軟集団)へ。



ここもまた広々としてキレイな会社で、敷地内にクラブがあったり池があったり、ゴルフ場まであるという充実ぶり!日本とは土地の使い方が違うというか、気前よくドーンと土地を使っちゃうんですね。すごいです。


オフィスビル内にも滝と観葉植物で癒しムード満点の休憩所があったりして、こういうところで働きたいなぁという気分に…
Neusoftは設立当初はメンバーが3人だけだったのが、10年で6,000人になったんだそうです。今ではソフトウェアのアウトソージングで世界TOP10に入る会社で、売上の10〜15%を研究開発に費やしているそう。社員の平均年齢は30歳前後らしく、お話を聞いていてエネルギッシュな印象を受けました。



昼はレストランで中華でしたが、先生のお気遣いであまり辛くないメニュー中心でした。日本のおでんの大根みたいな味のものがあったり、馴染みやすい味でおいしくいただきました。ごちそうさまでした。


劉さんとはここでお別れ…
その後はホテルに戻りしばらく休憩。







■夜:メディア関連企業の方と一緒に晩御飯■

夕方、遼寧日報と遼寧テレビ局の方と一緒にホテルで晩御飯をいただくことに。
遼寧日報は大連や瀋陽のある遼寧省の政府系新聞のトップで、12もの新聞を発行。東部地区ではNo.1のシェアの大きい会社です。新聞業界、テレビ業界の話を直に聞くことが出来てとてもおもしろい晩御飯になりました。
中国の新聞は1部だいだい1元(≒16円程度)ですが、実は生産コストは1部あたり2元かかってるから元々赤字で、そのぶん広告収入をUPしなくちゃいけないんだとか・・・。
テレビ業界も、日本と違ってキー局なんてものはなく各地方平等だとか、番組制作にあたっては制作会社に委託するよりも自社製作が多いとか。色々と興味深いことが多かったです。
もちろん料理もとてもおいしかったです。中華料理って、真っ赤な唐辛子の海に入っている魚とか、目を引く料理が多いですね。見るからに辛そう!



9月5日(6日目)

この日は午前中、瀋陽にある故宮へと行きました。故宮といえば北京の故宮(紫禁城)が有名ですが、瀋陽にも故宮があります。瀋陽の故宮は、17世紀に清朝を建てたヌルハチと、その息子であるホンタイジが皇居としていたものです。多くの観光客がこの地を訪れており、故宮内は賑やかでした。
 


故宮の奥では、当時の皇帝の参上と、兵隊や踊り子による舞踊を再現したショーも行われていました。我々を含めこのショーに来場していた客はみな楽しそうに見入っていました。しかし、ショーの途中から天気が悪くなり、小雨も降り始めたのでショーは途中で終わってしまいました。

 午後には清皇帝ホンタイジを祭ってある王陵へと行きました。朝降り始めた雨は止まず、雨天の中での散策となりました。墓の造りはまるで宮殿のように大きく、ホンタイジを埋めている場所までたくさんの門や城壁があります。実際にホンタイジの眠っている場所は土が丸く盛られているだけで実にシンプルな造りでした。


 
次に我々が向かったのは張作霖・張学良の写真や資料を展示してある博物館でした。張作霖は瀋陽にて関東軍に殺された軍人で、張学良は父の意志をついだ張作霖の長男であり、2001年にハワイにて100歳で死んだそうです。博物館内には張作霖・張学良を写したたくさんの写真に加え、その親族や関係者の写真や当時の書類や雑誌などもおいてあり、当時の歴史的背景を説明したボードや、蝋人形もありました。改めて日本史・世界史で学んだ内容への理解を深める機会となりました。

 

この日の夜は宿泊しているホテルの近くにある羊肉しゃぶしゃぶのレストランへと行きました。中国の大衆むけレストランは通常、日本と違い店員はにこやかでなく、サービスもそんなにきっちりしていないのが普通ですが、この店は店員の方々の愛想が非常によく、笑顔で接客してくれました。


9月6日(7日目)

 この日は朝、ホテルを出てタクシーで空港に向かい、上海に向けて飛行機で飛び立ちました。



大連編(8月31日〜9月2日)
      
瀋陽編(9月2日〜9月6日)
 
上海編(9月6日〜9月9日)