経済学部は,1924年に九州帝国大学法文学部経済科として発足し,今年度創立100周年を迎えます。この間に2万人を超える人々が経済学部、大学院修士課程・博士課程を巣立っています。民間企業、官公庁および学界に多くの優れた人材を輩出することによって、日本経済の発展に貢献するとともに、教育・文化、ひいては日本社会全体の発展に貢献してきました。
2018年9月に伊都キャンパスへ全面移転した本学部・本学府は、先輩たちが築いてきたこの伝統を受け継ぎ、ますます変化を速め複雑化・多様化しつつある現代社会の中で、経済の動向を的確に把握し、創造的に問題解決できる人材の育成を目標としています。経済学部では、積み上げ方式のカリキュラムが体系的に提供されます。すべての学年において小人数演習、いわゆるゼミナールを受講可能なことが大きな特色です。「修学カルテ」を用いたユニークな修学指導の体制があり、学生の修学状況をフォローアップしています。特に1年次の前期終了時には、1年生全員に対する修学面談が実施されます。
意欲のある学生には「学部・学府一貫教育プログラム」という独自のプログラムが用意されています。大学院修士課程を経て将来、専門研究者や専門職を目指す意欲と能力のある学生を選抜するためのものです。3年次前期までに優秀な成績をおさめた学生、または、ゼミナール指導教員からの推薦を受けた学生が、このプログラムに応募できます。プログラムへの参加を認められた学生は、4年次から経済学府の講義を受講し、修士課程に進学するための特別選抜試験を受験することができます。21世紀に入り経済・社会のグローバル化は新たな段階に入りました。経済学部では2018年度に、グローバル人材の育成を目指す教育プログラムとして「経済学部グローバル・ディプロマプログラム(Global Diploma Program in Economics, GProE)」をスタートさせました。新段階のグローバル化がマクロ経済・産業・企業の各レベルでもたらす複合的な諸問題を、経済学や経営学のツールを用いて深く理解し、グローバル・マインドをもってその解決策を提言できる次世代人材を育成するためのプログラムです。プログラムに選抜された学生に対しては、「グローバル人材育成REPRA基金」による奨学金制度が用意されています。
さらに、他の人文社会科学系学部および工学部建築学科と協働して「人社系副専攻プログラム」を運営しています。このプログラムを通じて、経済学部で学ぶ深い専門性に加え、学部の枠を超えた人文・社会科学分野の知的広がりを獲得することができます。
このように経済学部・学府・研究院は、教育研究上の諸課題に果敢に挑戦してきました。これからも将来を見据えて積極的にチャレンジしていきたいと思います。