卒業生・修了生からのメッセージ

土中 哲秀

土中 哲秀さん

HANAKA Tesshu

九州大学経済学部卒業を経て
九州大学経済学府修了(2018年3月)

中央大学理工学部情報工学科 助教

私は、2010年に九州大学経済学部経済工学科に入学し、学部から博士までの8年間を過ごしました。ゼミ配属では、元々やりたかった経済学と数学の関係を勉強するために、数理情報講座のゼミから選ぶと決めていました。そして、恩師の小野廣隆先生(現名古屋大学大学院情報学研究科)と出会いました。小野先生は理論計算機科学やオペレーションズ・リサーチなどの情報学がご専門でしたが、ゼミ配属の前にお伺いして、経済学と情報学、そしてその背後にある数学の関係を丁寧に説明してくださり、これだと思って決めました。配属後は、グラフ(ネットワーク)と呼ばれる離散構造における重要部分構造抽出アルゴリズムの開発に取り組みました。この研究テーマは、経済学とは関係があるものの、どちらかといえば理論計算機科学に関するものでした。修士に進学するときに自身の培ってきたグラフ的視点を経済学分野に応用したいという思いが強くなり、小野先生に相談すると、経済経営学科の加河茂美先生を紹介してくださりました。加河先生は産業連関分析と呼ばれる経済分析がご専門ですが、グラフ理論などにも詳しく、実経済データのグラフ的分析に関する研究をしておられました。私は、アルゴリズムの研究をする一方で、経済ネットワーク分析に関する共同研究も始めました。同時に二つの研究を行うのは大変でしたが、博士課程の間に両分野の論文を英文誌と国際会議で発表することができました。このような経済学と情報学の両分野をつなぐ学際研究ができたのは経済工学科ならではだと思います。そして、初学者だった私を熱心に指導してくださった小野先生、加河先生には感謝の言葉もありません。

最後に、九州大学経済学部経済工学科にはこのように素晴らしい先生方がおられ、また幅広い分野をつなぐ最先端の研究を行うことができます。自分自身のやりたいことを見つけ、切り開いていってください。

 
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